かかりつけ医機能とは

かかりつけ医機能とは

昨今、国民に対して、「かかりつけ医」を持つことを国や行政が推奨するようになっています。

また、2024年の診療報酬改定においても、「かかりつけ医機能」を持つ医療機関を評価したうえで、地域との連携強化が進められてきました。

ここでは、かかりつけ医、かかりつけ医機能とは何かについて説明してまいります。

かかりつけ医とは

かかりつけ医とは、「健康に関することをなんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知し、必要なときには、専門医・専門医療機関を紹介してくれる、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師」と日本医師会によって定義されています。

つまり、身体に何かしらの不調を感じた患者が気軽に相談・受診するような医師を指し、必要に応じて他の専門医や専門医療機関への紹介を行うことも必要になってきます。

参考

かかりつけ医であるメリット

では、医師がかかりつけ医であることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。

定期的な受診による患者の健康管理

患者の定期的な受診により、医師は健康状態や病状、病歴を把握することができるようになり、患者にあった健康管理を行うことができます。

また、ちょっとした身体の変化に気づくこともできるようになるため、病気の予防や早期発見、早期治療につながるでしょう。

適切な医療機関の紹介

先ほども説明した通り、かかりつけ医は、より専門的な検査や治療、入院が必要となった際は、対応することができる適切な医療機関の紹介を患者に対して行います。

かかりつけ医が浸透することで、初診から大病院等にかかる患者が少なくなり、大病院がより高度な医療を必要とする患者の治療に専念できるという効果も期待できます。

このように、患者にとってもメリットがあることから、国民に対して、かかりつけ医を持つように推奨しています。

同時に、医療機関に対しても、かかりつけ医の役割(かかりつけ医機能)を示し、かかりつけ医となることができる体制の整備を進めています。

かかりつけ医機能とは

かかりつけ医機能とは、地域医療機関が担うべき役割(通常時や診療時間外の体制、社会的・行政的活動への参加、患者への適切かつ分かりやすい説明・情報提供等)を指します。

また、かかりつけ医機能は、「医師個人単位でのかかりつけ医機能」と「医療機関単位でのかかりつけ医機能」それぞれで捉えることができますが、医師個人でかかりつけ医機能として示されている役割をすべて満たすことは難しく、限界があります。

したがって、医師単位としてではなく、医療機関としてかかりつけ医機能を持つことで、患者さんへかかりつけ医としてよりよい医療は提供できるようになります。

日医かかりつけ医機能研修制度

日本医師会は2018年から、かかりつけ医機能の充実・強化を目指し「日医かかりつけ医機能研修制度」を開始しました。

日医かかりつけ医機能研修制度を受講し終了することで、日医生涯教育認定証が交付されます。

当該研修制度の一部の受講は、地域包括診療加算・地域包括診療料の研修要件の一部として届出に活用できます。

参考

かかりつけ医機能への評価

医療機関がかかりつけ医機能を担うことで、加算を算定できる場合があります。

例えば、外来医療において適切な役割分担を図り、専門医療機関への受診の要否の判断を含む、より的確で質の高いかかりつけ医機能を持つ診療所を評価する機能強化加算や、地域包括診療料・地域包括診療加算があります。

その他、小児科であれば小児かかりつけ診療料、精神科・心療内科では早期診療体制充実加算では、かかりつけ医のような機能を持つことが求められており、かかりつけ医機能を持つ医療機関は評価されています。

最後に

ここまで、「かかりつけ医」及び「かかりつけ医機能」について説明してまいりました。

コロナ禍の経験を踏まえ、国は「かかりつけ医」をより多くの国民が持つことが出来るように働きかけています。

同時に、国は医療機関側に対しても、かかりつけ医機能が発揮される制度整備も進めており、2025年4月から始まる「かかりつけ医機能報告制度」もその施策の1つです。

制度の円滑な運用に向けて、医療機関、行政、地域住民が一体となり、より良い地域医療の構築に向けて歩んでいくことが重要です。

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