小児かかりつけ診療料

小児かかりつけ診療料とは

小児患者に対し、かかりつけ医機能を持つ診療所を評価するための診療報酬です。

「小児科外来診療料」同様、出来高(初診料や処方箋料をそれぞれ算定)ではなく、包括での算定となり、診療の内容に関係なく一律の点数を請求します。

2024年診療報酬改定

小児に対する継続的な診療を一層推進する観点から、要件と評価が見直されました。

算定にあたり、指導内容に項目が追加されるなどの変更があります。

対象患者

  • 当該保険医療機関を4回以上受診(予防接種の実施等を目的とした保険外のものを含む。)した未就学児(6歳以上の患者にあっては、6歳未満から小児かかりつけ診療料を算定しているものに限る。)

算定要件

  • 急性疾患を発症した際の対応の仕方や、慢性疾患の管理等についての指導を行うこと
  • 患者が受診している医療機関を全て把握していること
  • 健康診査の受診状況及び受診結果の把握、発達段階に応じた助言・指導を行うこと
  • 予防接種の有効性・安全性に関する指導やスケジュール管理等に関する指導を行うこと
  • 発達障害の疑いがある患者について、診療及び保護者からの相談に対応するとともに、必要に応じて専門的な医療を要する際の紹介等を行うこと
  • 不適切な養育にも繋がりうる育児不安等の相談に適切に対応すること
  • 当該診療料を算定する患者からの電話等による緊急の相談等に対しては、原則として常時対応を行うこと(例外あり)
  • かかりつけ医として、上記に掲げる指導等を行う旨を患者に対して書面交付して説明し、同意を得ること。また、小児かかりつけ医として上記に掲げる指導等を行っている旨を、当該保険医療機関の外来受付等の見やすい場所に掲示していること。

点数

現行 改定後
小児かかりつけ診療料1 @ 処方箋を交付する場合 初診時 641点 652点
再診時 448点 458点
A 処方箋を交付しない場合 初診時 758点 769点
再診時 566点 576点
小児かかりつけ診療料2 @ 処方箋を交付する場合 初診時 630点 641点
再診時 437点 447点
A 処方箋を交付しない場合 初診時 747点 758点
再診時 555点 565点

届出要件

〈小児かかりつけ診療料1・2共通〉

  • 小児科又は小児外科を担当する常勤の医師が1名以上配置されていること
  • 時間外対応加算1又は時間外対応加算2に係る届出を行っていること
  • 小児科又は小児外科を担当する常勤の医師に掲げる医師が、以下の項目のうち2つ以上に該当すること
    @ 在宅当番医制等により、初期小児救急医療に参加し、休日又は夜間の診療を月1回以上の頻度で行っていること
    A 乳幼児の健康診査(市町村を実施主体とする1歳6か月、3歳児等の乳幼児の健康診査)を実施していること
    B 予防接種(定期予防接種)を実施していること
    C 過去1年間に15歳未満の超重症児又は準超重症児に対して在宅医療を提供した実績を有していること
    D 幼稚園の園医又は保育所又は小学校若しくは中学校の学校医の嘱託医に就任していること

〈小児かかりつけ診療料1〉

  • 時間外対応加算1又は時間外対応加算3に係る届出を行っていること
  • 小児科外来診療料を算定していること
  • 医師は、発達障害等に関する適切な研修及び虐待に関する適切な研修を修了していることが望ましい
発達障害等や虐待に対する研修

2024年の診療報酬改定で新たに設けられた発達障害等や虐待に対する研修は、以下が該当します。

  • 日本小児科医会「『子どもの心』研修会」
  • 日本小児保健協会・日本小児科学会・日本小児精神神経学会 「小児かかりつけ医のための発達障害スキルアップ講座」
  • 日本小児神経学会「子どものこころのプライマリケア・セミナー」
  • 日本子ども虐待医学会「BEAMS Stage1」

〈小児かかりつけ診療料2〉

次のいずれかの基準を満たしていること。

  • @時間外対応加算2又は時間外対応加算4に係る届出を行っていること。
  • A以下のいずれも満たすものであること。
    (イ)在宅当番医制等により、初期小児救急医療に参加し、休日又は夜間の診療を年6回以上の頻度で行っていること。
    (ロ) 当該保険医療機関が表示する診療時間以外の時間にあっては、留守番電話等により、地域において夜間・休日の小児科外来診療を担当する医療機関や都道府県等が設置する小児医療に関する電話相談の窓口(#8000 等)等の案内を行うなど、対応に配慮すること。

関連する科目

開業・経営におけるポイント

「小児かかりつけ診療料」の算定構造は、「小児科外来診療料」とほぼ同じです。

「小児科外来診療料」の届出を行っていることが算定の要件になっていますので、手続き漏れのないよう注意が必要です。

また、「小児かかりつけ診療料」を算定している医療機関では、「機能強化加算」の届出が可能になります。こちらも合わせて届出を行いましょう。

地域の初期小児救急医療は、医師会が管轄していることがほとんどです。

新規開業の場合、すぐには夜間・休日診療に参加できない可能性がありますので、入会時に確認をするとよいでしょう。

「小児科外来診療料」と比べ算定できる点数は高いですが、夜間対応などドクターの負担は大きくなります。

ご自身のライフプランと照らし合わせ、届出を検討してください。

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