医師のライフプラン
医師としての人生の中で、勤務医を続けていくのか、それとも開業医になるかということは、一度は考えたことのある選択かもしれません。
開業するとなれば大きな選択となりますが、ここでは医師としてのライフプランから、開業という選択肢に関してお金の面での勤務医との違いを交えてご紹介いたします。
避けられない人生5大支出
勤務医であっても開業医であっても、人生どうしてもいろいろと支出があるものです。
特に、以下のものは人生の5大支出として必ずと言っていいほどかかってきます。
- 教育費
- マイカー
- 住宅ローン
- 保険
- 老後資金
これらの支出に対してどのように収入を確保し貯蓄をしていこうか、プランニングをしなくてはいけません。
今現在は年収が高く、またいつまでも働けるからなんとかなる・・・とお考えでも、5年後、10年後の収入と支出のイメージ、将来の貯蓄についてプランが出来ているでしょうか。
勤務医のこれから:余剰問題と収入減少
医師余剰
医師の先生方は既にご存知かもしれませんが、厚生労働省医師需給分科会の発表から、2028年には医師の余剰が始まるとされています。
これまで、日本の少子高齢化から医療需要が高まるとされ、医学部の人数枠を増加させ、より多くの医師を育てる政策がとられてきました。そもそもの医師の数がどんどん増えているということです。
しかし、日本の総人口というのはこれから減少していきます。人口と医師の数の対比でみると、比率として医師が多すぎるという結果になってしまうのです。
収入の減少
医師が余剰していくにとどまらず、働き方改革などの影響から勤務時間の削減、つまり減収も予想されます。
また、一部の研修医制度では地域医療の過疎化を改善するために医師を地方派遣することを義務化しているところもあります。
地方勤務の方が当然都市部に比べ給与は低くなります。
上がらない診療報酬
加えて、国の政策方針としても今後診療報酬が増加していくことも見込みがなく、診療から売り上げを伸ばしていくことも難しくなります。
出典:医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会(第19回)
2018年4月12日 資料1 医師の需給推計について p.34 厚生労働省
勤務医は税金のコントロールが難しい
上記のような支出はあくまで先生の手取りからの捻出になります。
給与から税金を引いた手残りということです。この税金部分を少しでも低く抑えることができれば、支出に向けての手残りも増やすことはできますが、勤務医ではこの税金というもののコントロールがほとんど利きません。
勤務医というのはサラリーマンと同様に、給与から税金が天引きされています。
勤務先が先生に代わって納付していますので、その税金をコントロールすることが難しく、収支に向けての手残りを増やすようなアクションが取れないのです。
上記のような支出が控えておりその準備をしなければならない中で、勤務医を取り巻く環境は今後非常に厳しくなっていきます。税金に関わる選択肢が少ない勤務医を続けながらなんとか支出のための準備をしていくということは、それ自体にリスクが伴っていることも考えておきましょう。
開業医という選択肢
そこで、勤務医から開業医に転身すると、その収入についていったいどんなことが異なるのかをご紹介します。
開業医は経費利用ができる
開業医には経費利用という収支のオプションが存在します。
具体的には勤務医と開業医では以下のように手取りの計算式が異なっています。
勤務医の手取り = 給与 ー 税金
開業医の手取り = 売上 ー ( 経費 + 返済 + 税金 )
勤務医の先生は一般のサラリーマンのように、給与から税金が引かれた残りが手取りで、やりくりする手段を持ちませんが、開業医になりますと経費の利用が可能です。
本来は手取りから支出する項目を、あらかじめ経費として計上し賄っておき実質手取りを増やすことが可能です。
開業することにもリスクは伴う
お金のやりくりにおいて、税金の考え方や収支に関する選択肢が増えることは開業医のメリットですが、開業することにももちろんリスクは伴います。
開業をすれば良いのではなく、開業後の経営を成功させていく必要があるのです。収支の面だけでも返済という項目が加わってきますし、決して開業さえすればお金に自由が生まれるというわけではない点留意し、ライフプランを練っていきましょう。
弊社無料相談をご利用ください
このまま勤務医を続けるとしてライフプランとして不安がある、開業したほうが良いのか分からない。様々な不安やお悩みがあるかと思います。
もちろん、現在の条件などによっては勤務医でいるという選択の方が良い場合もありますので、その点踏まえて弊社コンサルタントに一度ご相談ください。