眼科の開業資金・自己資金・年収
眼科クリニックの開業資金と平均診療報酬の目安をご紹介します。
眼科クリニックの開業資金
土地、建物 | 約3,000万〜 |
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設備 | 約2,000万〜4,500万円 電子カルテ、レジスター、コピー複合機(家庭用)、診察用ベッド、顕微鏡、眼圧計、視野計、眼底検査機器、視力検査機器 など |
自己資金がなくても開業はできます!
上記の開業資金は先生が全額自己資金として用意するものではございません。
開業は自己資金0でも可能な場合がございます。
詳しくは、開業に関するよくある質問Q&A「自己資金はどれぐらい準備する?」をご覧ください。
眼科の収支(1カ月あたり)と年収
個人クリニックの収支(1カ月あたり)と年収
収益 | |
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診療報酬 | 約448万円 |
介護収益 | 0万円 |
経費 | |
人件費 ※院長の収入は含みません | 約138万円 |
医薬品費 | 約43万円 |
その他 | 約141万円 |
眼科の1ヶ月あたりの収入(収益 - 経費)= 約126万円(年収:約1,512万円) |
厚生労働省 中央社会保険医療協議会 第22回医療経済実態調査(医療機関等調査)−令和元年実施− p.150 を参考に集計
医療法人の収支(1カ月あたり)と年収
収益 | |
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診療報酬 | 約1,376万円 |
介護収益 | 0万円 |
経費 | |
人件費 ※院長の収入も含みます | 約715万円 |
医薬品費 | 約138万円 |
その他 | 約406万円 |
税引後の眼科の1ヶ月あたりの収入(収益 - 経費)= 約90万円(年収:約1,084万円) 理事長先生と理事(奥様や成人したお子様)の報酬を引いた、残りの医療法人の収入です。 |
厚生労働省 中央社会保険医療協議会 第22回医療経済実態調査(医療機関等調査)−令和元年実施− p.162 を参考に集計
眼科クリニック開業のポイント
眼科の開業は、「引き受ける治療の範囲をどのように設定するか」によって、立地選び・クリニックの設計・導入する医療機器など大きく変わります。
また、昨今眼科クリニックの開業が増えているため、クリニック経営および診療体系など他のクリニックと差別化できる特色があることが重要です。
開業時に行う診療・検査の選択を
開業時の機器を検討する際に最も考慮すべき点は、白内障手術などの手術を行うか否かが重要になります。
通常、手術用機器を揃える際には、手術を行わない場合に比べて2,000〜3,000万円程度、機器のコストが上がります。
また、クリニックの面積もレーザー治療レベルの場合は30〜40坪前後、手術を行う場合は50坪前後必要になります。
レーシックの手術を行うとなるとまた、全体像が大きく膨れ上がります。レーシックは大手のクリニックでも苦戦が続く状況で、個人での単独開業はおすすめできません。
手術を行う場合の考慮点
- 手術室、回復室の確保
- 看護師の数など人員計画
- ニーズのあるエリア選定
- 外来の中で手術を行うか、外来とは別の専用時間、専用日で手術を行うか
人員計画について
眼科では視能訓練士の採用も検討事項となります。
視能訓練士と連携しスムーズな検査を実現できれば、回転率の改善からより多くの患者さんの診察ができます。
またロービジョン外来の実施を検討する場合には、対応できる視能訓練士の確保が課題になるでしょう。
地域によっては視能訓練士の採用に苦労する場合もあり、知り合いの視能訓練士に声をかけて開業する場合もあります。
やみくもに採用するのではなく、先生のコンセプト・戦略に沿って、視能訓練士の採用もしっかりと考慮しましょう。
開業地は『ファミリー・高齢者の多い地域』をおすすめします。
眼科は老若男女、幅広い年齢層をターゲットにすることができます。
子どもであれば学校のプールの授業があるので結膜炎の有無が話題になりますし、高校生・大学生であればコンタクト処方が増えますし、高齢者であれば高い確率で白内障に罹患します。
そのため、眼科の医院開業は幅広い年齢層の患者を取り込みやすいよう、ファミリーが多くいる住宅地エリアが望ましいです。
ただ、子どもからお年寄りまで幅広く住んでいるエリアが良いのはもちろんなのですが、どちらかといえば、眼鏡処方・結膜炎などの利益の少ない医療ばかりになりやすい若年層よりも、多様な理由で来院が予測される中年・高齢者の層をより重視したほうが良いと思います。
そのため市場調査、特にその地域の年齢分布の調査が重要になってきます。
戦略を練った上で、クリニック経営及び診療体系を検討されたほうが良いでしょう。ただ単に「人口が多く、競合が少ない場所」が良いというわけではありません。
バリアフリーを念頭に入れたクリニック設計を
眼科を訪れる患者は眼が不自由なだけではなく、高齢者や車椅子の患者も多いです。
診療所内は暗所が多いうえ、散瞳薬を使用してからの検査もあるため、クリニックのバリアフリーは必須です。特に車椅子患者の動線が確保されるよう、各室のレイアウトには配慮した方がよいでしょう。
診察室の改良
暗幕で囲われて、診療の声が筒抜けのクリニックが今までの普通のスタイルでした。近年、患者様のプライバシーを配慮して個室と暗幕を併用するスタイルが人気のようです。
古いクリニックは、これだけは新しいクリニックのように改修工事自体ができません。コストがかかることなので、どこまで取り入れるか十分に検討する必要があります。
メガネ店との連携対策
視力検査と眼鏡・コンタクトレンズの処方はメガネ店でも行えるのですが、やはり一定数の患者が「より正確で安心感のある検査・処方」を求めて、眼科を訪れているのは事実です。
特に親が子どもの眼鏡を作る場合などは慎重になり「念のために、眼科医の先生に診てもらったほうが…」となりがちです。
眼科クリニックにとって、視力検査と眼鏡・コンタクトレンズの処方は重要な収入源の一つです。
近場にメガネ店があって連携が可能であれば、この手の患者さんが来院する確率が上がりますから、近場にメガネ店があるかどうかというのは非常に重要なことといえるでしょう。
眼科で取得する施設基準
開業のコンセプトによって必要、不要なものがございます。
まずは弊社の無料相談をご利用ください
手術の有無や場所の選定、眼科のクリニックを開業したいけど、どこまでやるのか迷っているなどございましたら、ぜひ一度弊社の無料相談をご利用ください。そのほか不明な点や疑問がございましたら、コンサルタントがお答えさせていただきます。
FPサービスで眼科クリニックを開業された先生の声
西大島あたらし眼科
院長 新 卓也 先生
(2020年東京都江東区にて医院開業)
思い返すと開業を目指したのは医師になろうと決意した中学生の時だと思います。当時医者になるとはすなわち開業医になることだと思い込んでいました。...続きを読む