糖尿病内科・内分泌内科の開業資金・自己資金・年収

自己資金は0でも開業できます

開業時の自己資金はゼロ円でも開業できます。
戸建て開業でも勤務先の外来患者様を連れていける場合はゼロ円で大丈夫です。

特に、その後も病診連携が取れる場合、全く自己資金が無くても開業できる唯一の科目です。

落下傘(患者様を連れて行けず単独)で開業する場合も、専門医のライバルが半径1Kmに無く(郊外なら半径2Km、地方なら医師会の地域班に内分泌内科の専門医がいなければ)、病診連携かきちんと取ることを前提にすればゼロ円でも開業できます。

内分泌内科は、糖尿病の患者様を腎臓内科に送らないように努力してくれるなら保険診療において、一定の基準を満たせばかなりの加算があるからです。

保証人がしっかりいるなり、土地があれば自己資金ゼロでも開業できます。

そもそも、自己資金が無ければ開業できない様な条件の悪い場所で開業することを再検討なさることをお勧めします。

開業費用の目安

開業費用は、一般内科と同じぐらい必要になります。

テナント開業の場合

テナント開業で、運転資金も含めると6,000万円から8,000万円ぐらい必要になります。
体重測定・尿検査・採血・診察・栄養指導と患者様が院内に滞留するため、広めの場所の確保が必要になるからです。

ただし、レントゲンを購入する必要が無いため、800万円から1,000万円の医療機器のコスト削減ができます。
業者の言いなりになってレントゲンを入れることは絶対止めてください。開業5年後にレントゲン室は物置になることがほとんどです。

郊外開業の場合

郊外の開業でも、レントゲンが必要ならばその部分は紹介状を書いて近くの内科診療所に紹介してください。

たとえ肺炎を疑おうが、腸閉塞を疑おうが内分泌内科で診療する必要はありません。
連携先の病院に送っても感謝されることはあっても嫌がられることはありません。それだけで、上記のコストの他に毎月のメンテナンス料も不要になります。

内分泌内科ではレントゲンはあった方が良くても、無くて問題になることはありません。へき地医療となると別問題です。

年収は6,000万円から1億円程度になっていきます。

始めに勇気をもって少し広めのスペースを確保できるかが将来の収入を左右します。広めに開業すると、運転資金を十分借りておく必要があります。

また、コメディカルの管理を煩わしく思うのであれば、あまり広げないという戦略も検討課題です。

2018年4月の診療報酬改定で、プラス改定がなされた診療科目です。いかに患者様を集めるか、いかに管理栄養士、資格のある看護師を採用できるかが成功するかどうかの分岐点になります。

管理栄養士と看護師採用

管理栄養士と看護師の採用が一番の難関となります。
小手先の対応では、採用増はできません。「開業のコンセプト」が問われます。

ホームぺージを充実させて優秀な職員を確保

充実させるのはホームページです。それもスマートフォン対応サイトでなければなりません。人生の重要な転職において管理栄養士も看護師も始めはスマホから転職先のあたりを付けます。

いよいよ、本格的に転職となればパソコンを開く人もいますが、最後までスマホで片づける人もいます。

開業時から、職員採用が一番重要であり、そのためにはどのようなことをサイトに掲載すればよいのか、優秀な職員候補者にスマホサイトを診てもらうためにはどのような工夫が必要か、提案できるコンサルタントを選ぶ必要があります。

集患対策

外来患者を病院から連れ出して開業しましょう

内分泌内科の場合、外来患者がどんどん増加し、病院の外来数を増やしてしまうことが問題になります。

その中から一定数の入院患者が出ることで、紹介率を下げてしまうのです。そして大半が手術も必要のない入院となってしまいます。病院経営としては、とても困る状況です。

ですから、開業しようと思った場合は、勤務先の病院や医局に相談し、外来患者様を連れて開業できるようにする必要があります。

お互いに助かる話です。
医局にいる間に開業を思い立ったら、教授に開業を前提として派遣する病院に送ってもらうよう相談することをお勧めします。

いきなり退職はかなりハードルが高いものですが、開業を前提とした医局派遣であれば、医局の勢力の弱い病院に派遣してもらえるはずです。

2〜3年後に退職することを前提とした人事が行われるので、退職のハードルが下がります。
そのうえ、患者様もつれていくことが大歓迎となるのですから、こちらにとっても大歓迎の話となります。

近隣の内科クリニックへの挨拶

患者様を連れていけない開業の場合、集患にはかなりの力を入れなければなりません。
そして、競合ライバルが複数存在するような場所の開業は絶対回避しなければなりません。

内分泌内科の専門医がいない地区でも、多くの内科開業医は一定の糖尿病患者を抱えています。

開業したらライバル同士ですから、簡単に患者様を紹介してくれることはありません。
勤務されていたらお分かりの様に、「なんでこんなレベルになるまで患者を抱え込んでいたんだ」とか「インシュリン導入が必要になる前に紹介してくれればもう少し何とか出来たのに」という患者様が送り込まれてきます。

開業する前に近隣の何らかの内科を標榜される診療所にまずはご挨拶に行かれることをお勧めします。

レントゲン設備をもたないメリット

この時「レントゲンを持っていない」ことが重要な意味を占めます。

「自分は内分泌内科なので、慢性疾患のうち糖尿病しか見ることができない。
レントゲン設備も持っていないので特定健診もできない。私が見ることができない患者様が来た時には、紹介状を書きますので、診ていただけませんでしょうか。」という挨拶が強力な関係を構築することになります。

高脂血症、高血圧の患者様はドンドン紹介するぐらいでちょうどいいのです。
まして、感染症の患者様には「インフルエンザなどの患者様は診察できません」と伝わるぐらいのメッセージを書いても保健所や厚生局から指導を受けることはありません。

招聘義務は、守らなければなりませんが、抵抗力の弱い高齢の患者様を守るためには、感染症の患者様が「近いから」という理由だけで来院されないように、近隣の診療所に誘導するぐらいでちょうどよくなります。

紹介を出せば、分かるようになりますが、糖尿病をはじめとして内分泌内科領域の患者様が紹介されるようになります。

病院とも連携を強化、逆紹介をしっかりもらう

開業するからには、病院から逆紹介がもらえるようになることも重要です。

近年、3次救急、2次救急を担う病院は逆紹介により、新規紹介を獲得しようと病診連携室を中心に、病院幹部が逆紹介先を探しています。

病院の経営にプラスになる診療所を探しているのです。
患者様を紹介してくださいと連携室を訪問しても丁寧にあしらわれるだけです。

具体的提案のできるコンサルタントを探す

集患対策は、どの診療科目でも重要ですが、具体的な方法を手案してくれる専門のコンサルタントを探すことが重要です。

どのように病院から患者紹介をもらうのか開業の手伝いをしてもらう業者に質問してみてください。十分納得がいく回答が得られれば合格です。

自前の特色や強みやクリニックモールをアピールするだけなら大抵の業者ができます。開業後の職員採用・育成問題。集患問題。医療法人化からその運営までわからなければ、そのたび、内分泌内科の宿命で問題に直面します。

ネット戦略も意外と重要

糖尿病しか診ないと決心すれば、ネット戦略はそれほど必須というわけではありません。

それでも、高齢者の後ろにはネット情報を見ながら親の糖尿病治療に意見を言うネット技術にたけたお子さんたちがいます。

高齢者でもネット利用は多い

現在70歳代前半で、ある程度の企業に勤めていればインターネットが見られないという人はいないでしょう。

中小企業でも、零細企業でも、個人事業主でも70歳代前半の多数派はインターネットで必要な医療情報を自ら見ることができます。それ以上の年齢になると、健康管理を心配する同年代や少し下の年代でインターネット情報強者が強力な口コミを展開します。

患者さんのお子さんを意識してネット戦略を立てる

お子様も介護を前提として一定の意見を言える立場になっています。

そのような方々が、内分泌内科のかかりつけ医の情報を見たら貧弱で、医療の質もよく解らないとなったら、別の診療所を勧めることが多々あります。

高齢者が専門だからホームページは不要という時代は10年ぐらい前に終わりました。
整形外科がいかにホームページに力を入れているか見れば、内分泌内科がホームページに力を入れない理由はありません。

よほど患者様やスタッフ採用に困らない特別な診療所だけでしょう。

糖尿病内科・内分泌内科の失敗例

高齢者が多く、裕福な人が多いから世田谷で開業や、世田谷に住んでいるから世田谷で開業、などという糖尿病専門クリニックがこの10年間で数件閉院しました。

より専門性が高く、集患に力を入れ、優秀なスタッフ採用と育成に力を入れたクリニックが後から開業したため、患者が激減したためです。

既に10年以上前から、世田谷区では開業数より廃業数が上回っています。
全国一の過密地区も今は目黒区にその地位を譲っています。

専門性が高いだけでは、過密開業地区での競争で勝ち残れません。
後から開業した内分泌内科に患者様を奪われて、消え去った事例です。

内分泌・糖尿病内科で取得する施設基準

開業のコンセプトによって必要、不要なものがございます。

甲状腺疾患

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