糖尿病合併症管理料
糖尿病の合併症のうち、糖尿病足病変の患者に対して医師又は医師の指示に基づき看護師が当該指導を行った場合に算定できる診療報酬です。
対象患者
次に掲げるいずれかの糖尿病足病変ハイリスク要因を有する入院中の患者以外の患者
- 足潰瘍、足趾・下肢切断既往
- 閉塞性動脈硬化症
- 糖尿病神経障害
算定要件
- 専任の常勤医師又は当該医師の指示を受けた専任の看護師が、爪甲切除(陥入爪、肥厚爪又は爪白癬等に対して麻酔を要しないで行うもの)、角質除去、足浴等を必要に応じて実施するとともに、足の状態の観察方法、足の清潔・爪切り等の足のセルフケア方法、正しい靴の選択方法についての指導を行うこと。
- 1回の指導時間は30分以上行うこと。
- 糖尿病足病変ハイリスク要因に関する評価を行い、その結果に基づいて、指導計画を作成すること。
- 糖尿病足病変ハイリスク要因に関する評価結果、指導計画及び実施した指導内容を診療録又は療養指導記録に記載すること。
点数
170点/月
届出要件
- 糖尿病治療及び糖尿病足病変の診療に従事した経験を5年以上有する専任の常勤医師が1名以上配置されていること。
- 糖尿病足病変患者の看護に従事した経験を5年以上有する専任の看護師であって、糖尿病足病変の指導に係る適切な研修(下記に掲げるもの)を修了した者が1名以上配置されていること。
- 国又は医療関係団体等(糖尿病重症化予防(フットケア)研修を行っている日本糖尿病 教育・看護学会等)が主催する研修であること。
- 糖尿病患者へのフットケアの意義・基礎知識、糖尿病足病変に対する評価方法、フット ケア技術、セルフケア支援及び事例分析・評価等の内容が含まれるものであること。
- 糖尿病足病変に関する患者指導について十分な知識及び経験のある看護師等が行う演 習が含まれるものであること。
- 通算して16時間以上のものであること。
関連する科目
開業・経営におけるポイント
糖尿病合併症管理料の算定には、研修を修了した看護師が勤務していることが必要です。
この研修は、日本糖尿病教育・看護学会、日本フットケア・足病医学会等が主催しています。
平成30年の診療報酬改定時に、特定行為に係る看護師の研修制度における「創傷管理関連」及び「血糖コントロールに係る薬剤投与関連」の両区分とも修了した場合にも、「適切な研修」として見なされるようになりました。(特定行為に係る看護師の研修制度とは、研修を修了した看護師が医師から指示された場合、手順書に基づき特定行為を行うことができる制度です)
患者さんに対して看護師が管理指導を行う場合、診察室とは別に指導室を設けると、患者さんの動線がスムーズになります。
糖尿病合併症管理料や糖尿病透析予防指導管理料を算定する予定の場合は、設計の段階から考慮する必要があるでしょう。