開業医の火災保険:休業時の補償
【更新日】2022/10/25
開業を準備されている先生、すでに開業されている先生に弊社がリスクマネジメントの一つとしてお話しするのが、休業補償についてです。
開業医が加入すべき保険についてのまとめでもご紹介しておりますが、こちらでは休業補償について少し深堀してお話いたします。
火災保険の分類
まず早速ですが、火災保険には2種類の補償があります。
- @財産補償
- A休業補償
@の財産補償はいわゆる「モノ」に生じた損害を補償するもので、多くの開業医の先生が加入されていることと思います。
一方注意いただきたいのが、休業補償に加入しているかということです。
損害補償としての火災保険

弊社で開業を支援しております先生には、開業準備のリスクマネジメントの中で必ずクリニックの火災保険に加入いただくように勧めております。
例えば、集中豪雨により床上浸水をしてしまった、車が衝突してしまいドアが壊れてしまった、などの理由で、クリニックの設備や医療機器が破損してしまうことがあります。
このような設備や機器に生じた損害を補償するために、火災保険に加入いただきます。
休診時の売り上げ
しかし、損害を受けた際に必要なのは、そうした修理費用の補償だけではありません。
仮に、クリニックが浸水してしまったら、診療再開までに時間がかかることが想定されます。
つまり、クリニックは休診せざるを得ません。
クリニックが休診すれば当然その間の売り上げはゼロということになりますが、スタッフの給与や家賃の支払い、事業借り入れの返済は引き続き行うことになります。
休診したとしても最低限それらの支払いが滞ってしまうことのないように、休診時の売り上げ損失をカバーする火災保険への加入も必要なのです。
粗利益の補償
休診時を補償する火災保険では粗利益をもとに保険金額を設定します。
粗利益には人件費なども含まれております。休業している間の人件費などの確保が目的ですので、補償されるのが粗利益であるのは自然でしょう。
保険金額の算定
粗利益というのは、簡潔にいえば「売り上げ」から「原価」を差し引いたものです。
休診した場合、「原価」である「薬剤等の仕入金額・医療用消耗品金額」は発生しませんので、「売り上げ」から「原価」を引いた粗利益を保険金額として設定します。
粗利益 | 売り上げ ー 原価 |
---|
ただし、金額設定には保険会社ごとに上限が設けられていることがありますので、加入し設定する際にはしっかりと確認しておきましょう。
保険の更新に伴う粗利益の再算定
休業補償は保険更新の度に粗利益を再計算します。
開業したばかりの頃と、経営が軌道に乗ってからでは、当然診療報酬=売り上げが変わっていることになりますので、休業補償でカバーすべき粗利益の金額も変わっていきます。
開業医特有のリスクへの意識を

開業医になるということはつまり個人事業主になることです。
勤務医のころとは違って施設に対する責任者になるなどドクターを取り巻くリスクが大きく変化します。
詳細は、「開業医がリスクに備え加入すべき保険とは?」の中でもご説明しております。
開業される際には、こうしたリスクマネジメントについても広く知識を持ち相談できるパートナーを見つけておくことも大切です。
FPサービスはファイナンシャルプランニングのプロです
弊社ではファイナンシャルプランニングのプロとして、開業を支援させていただく医師の先生には、必ず加入されている保険の見直しをしております。
つい見落としがちになる保険の加入や見直しですが、開業医としてのライフプランに付随するリスクに対応するため、なるべく早い段階から実施しております。
上記のような保険だけでなく、資産形成アドバイスも行っておりますので、ご相談下さい。
先生の声

お茶の水甲状腺クリニック
宇留野 隆 先生
「ファイナンシャルプランナーとして、加入中のすべての保険を確認して、開業に向けて、新規加入、解約などの指示を頂け、こちらも安心材料になりました。」
宇留野 隆 先生の声はこちら
開業された先生の声一覧はこちら

医療法人社団 千空
そうだ耳鼻咽喉科クリニック
理事長 宗田 靖 先生
「特にFPサービスに頼んで良かったと感じたのは、開業後のリスクヘッジをファイナンシャルプランナーとしての立場からも行ってくれることです。
開業医は自己責任でクリニックを経営していかなければなりません。
ファイナンシャルプランニングの技術を持ったコンサルタントは、開業後に関しても頼もしい存在です。」
宗田 靖 先生の声はこちら
開業された先生の声一覧はこちら