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ドクターサポート通信

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スタッフ育成の一手法

〜モチベーションの維持と、明確な目標項目(コンピテンシーモデル)の設定〜

経営環境が厳しさを増している中で患者様からの信頼を得ようと、スタッフ育成の努力を続けている医療機関が増えています。

今回はスタッフ育成を成功させるポイントをご紹介します。

患者様が医療機関に期待しているものは、以下のように挙げられます。

  1. 安全・安心で信頼の置ける質の良い医療サービス
  2. 誤診・診断ミスをしない腕の良い医師による診療
  3. 気配り・気遣いといったホスピタリティーあふれる医療機関
  4. 快適性の高い診療設備
  5. 利便性の良い周辺環境

また、その他に受診時の患者様の感情や感覚、支払う治療費などの物理的な面も、患者様の満足度に影響を与えます。

患者様が満足するということは、1〜5の項目に対し不満がない事に加え、「ここのクリニックに来て良かった」と思ってもらえるような感動を与える事が大切です。

最近では「気働き」という言葉も取り上げられているように、その場の雰囲気に応じた機転の利いた対応が見直されています。

実際に患者様に感動を与えリピーターとなって頂くためには、どんなことが必要でしょうか。
それにはまず、クリニックのスタッフ全員がマナーや医療に関する知識・技能、コミュニケーション能力などを身につけていることです。

そのためにクリニックの多くは、スキルアップを目指して、職員のマナー研修や知識・技能習得研修など様々な職員育成に取り組んでいます。

しかし、高いモチベーションを保ち自ら率先して生き生きと働く職員を育成しているクリニックがある一方、「一向に成果が見られない」・・・という悩みを抱えている院長もいらっしゃいます。

その違いは何処にあるのでしょうか?

ポイントは「院長の姿勢」、これに基づいた「基本方針」、実現するための「研修制度」の3つになります。
特に基本となる前者2つについて解説をしていきます。

まず院長自らが患者様に心を開いていく姿勢を率先して示すことが大切です。
以下の項目が実践できているかチェックしてみましょう。

  1. 「目配り、気配り、心配り、思いやり」といった意識をもって、「病気・ケガを治療するお手伝いをさせて頂く」という姿勢を常に心がけている
  2. 患者様の生活環境に配慮し、病状など聞かせて頂いている
  3. 患者様・家族から必要とされることをやり甲斐に、楽しく仕事をさせて頂いている
  4. 患者様・家族に自分は何をもたらすことが出来るかと常に考えている

成果を上げているクリニックは、自然とスタッフ全員が感謝の気持ちをもった立ち振る舞いを行っています。だからこそ、患者様から感謝されて心和むコミュニケーションがとれているのです。

次に、基本方針について触れていきます。
「患者様から評価される喜びを、成長や自己実現への糧にする」というように患者様主体のものに定めてみましょう。

さらに到達能力目標(コンピテンシー)を設定し、達成への努力をバックアップする研修制度を整えていきます。

具体的には成果を上げている優秀なスタッフの行動特性を継続的に観察し、他のスタッフにも行ってほしい具体的な行動内容を抽出します。たとえば患者様への声かけの細やかさや、親切な説明など、小さなことだけでもたくさんの項目が見つかるでしょう。

そしてこうした行動からクリニックが目指すべきモデルを作成し、その達成に向かって研修・指導を行っていきます。

モデルは、次の3つのカテゴリーで考えてみてください。
このモデルの長所は、職種やキャリアを問わず共通の基準として利用でき、各項目の評価を点数に換算して総得点の算出・比較が可能な点にあります。

  1. 基礎評価
    規律性・協調性・人間性・理念方針の共有(患者様の視線に立つ)等
  2. 業務評価
    仕事の正確さ・処理スピード・知識技術・モチベーション等
  3. 発展評価
    状況判断力・折衝力・企画力・リーダーシップ力・コミュニケーション力・情報収集力・業績貢献度等

ポイントは単純に横並びで評価をするのではなく、職員のキャリアの違いを反映させるため、ベテランであれば「発展評価」に重点を置くなどの工夫をする、ということです。知識を問う試験の点数を加味するなどすると更に効果的になるでしょう。

こうした姿勢の提示、基本方針の設定は、積極的にスタッフとコミュニケーションを取り、理解してもらうことはもちろん、院長自身が常に考えサポートをしていかなくてはいけません。

そこに難しさがあるのも事実です。しかしあきらめず、根気よく続けていきましょう。
少しずつスタッフがまとまり、クリニックの形が出来上がっていくはずです。

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