開業場所選び:郊外型開業
クリニック開業の場所探しにて、都市部は過密地域もあり参入は難しいとお考えの先生から、郊外の開業というのは実際成功できるのかとご相談いただくケースがございます。
都市型開業でもお伝えしておりますが、まずは先生の行いたい医療、開業のコンセプトが重要です。
「郊外は競合が少ないから勝てるだろう」と物件探しから始めることなく、まずは郊外型開業の特性、メリットやデメリットを理解して、コンセプトとのマッチ度合いを確かめていきましょう。
集患において優位性が高い
郊外におけるクリニック開業でもっともよくあげられるのは、集患において都市部よりは優位であることです。
競合となる医療機関は少ない一方で、潜在的な患者さんの数が多いことは郊外の特徴と言えます。
コロナ禍での生活様式の変化が追い風に
2020年4月に緊急事態宣言が発令され、その後コロナ禍における新たな生活様式が確立、クリニックの集患状況を大きく変えました。
郊外のクリニックは都市部と異なり、患者さんが増えるという事例も見受けられています。
特に在宅勤務(テレワーク)が推進されたことによりお住いの近くで受診するようになったことは大きく、緊急事態宣言下ではコロナ前までは来院されなかった初診の患者数が増えたというクリニックもありました。
開業当初は幅広い層を診療する必要性
開業する科目にもよりますが、郊外では競合医療機関が少ないということ=選択肢が少ないことから、必ずしも科目を明確に区別して患者さんが受診してくるわけではありません。
「とりあえず相談しに受診しよう」「何でも診てくれるだろう」と考えられて、近場のクリニックを初めに受診される患者さんが多い傾向があります。
集患がしやすい反面、開業当初は専門特化というよりも、幅広く患者さんを診ていくことが求められるのは事実です。
診療の効率化
上記のような受診層の広さから、患者数は多い傾向にあるため、診療の効率化は必須です。待ち時間が長くなってしまうとクレームに繋がってしまいますので注意しましょう。
順番受付システムを導入するなど、待ち時間の短縮と診療の効率を図ると良いです。
開業準備に要する期間が長い
郊外型開業を選択した場合には、この開業準備期間の長さは考慮しましょう。
これは主に実際の物件を決めるまでに時間がかかるためです。
都市部に比べてテナント数が少なく、土地から探さなくてはいけないケースも多くあります。
そうなりますと、開業場所を確定するまでの物件探しの期間は長くなる可能性をあらかじめ覚悟しておく必要があります。
また、郊外型開業では戸建てでの開業になることも多く、建築建物の大きさに関してやレイアウトについても十分検討を要するため、しっかりとした準備期間が必要です。
設備投資は増える傾向
競合医療機関が少ないことは、協力医療機関も少ないことを意味します。
MRIやCTについては連携先の病院を確保しておくことで対処できますが、一部血液検査などについてはクリニックで設備を保有しておくことも必要になる場合があります。
また、幅広い層を診療していくという特性と、差別化を図っていくうえで、発熱外来のための動線の整備、隔離室、充実したスタッフルームなどを設ける必要も出ていきます。
都市部のテナントとは異なる設備投資についてよく検討しましょう。
コンセプトがすべて
郊外型開業における特性というものをご紹介しましたが、やはり先生の開業コンセプトと照らした選択が大切です。
しっかりとコンセプトを固めることで、郊外エリアが向いているのか、または都市部での開業の可能性か見えてくるはずです。
郊外型開業もまた都市とはことなる特徴を持っていますので、「競合が少なそうだから」「いい場所が紹介されたから」とテナントや土地探しから始めることなく、まずはコンセプト、そして先生の医師としてのライフプランを考えましょう。
無料相談をご利用ください
郊外の開業を検討されているが、具体的な戦略が見えていない。ご自身の思い描く開業について適した場所選定の意見が欲しいなど、疑問のあることを、まずは無料相談にてご相談下さい。
先生の思い描く開業や理想の医療、ライフプランも交えてご相談対応させていただいております。