開業場所選び:都市型開業
開業を考えられている先生の中でも、都心での開業を理想とされる方が多くいらっしゃいます。
一般的には大都市での開業は厳しい状況です。
しかし、先生の行いたい診療内容によっては、都市型開業が選択肢になりえる場合もあります。
「都市部で開業したい」と物件探しから始めることはなく、まずは都市部の特性を理解し、先生の診療内容との相性を確認していきましょう。
専門性の高さ
都市部での開業が選択肢になるというのは、先生のコンセプトが大きく関わります。
専門性が高く他のクリニックと差別化ができる診療を行うのであれば、都市部においても開業する余地はあるということです。
他のクリニックとは明確に差別化できる特色あるコンセプトと、専門性の高い診療内容を掲げることで、広域からの集患が狙えるのであれば都市部も選択肢に入れましょう。
その場合都心という場所はメリットに働きます。郊外に比べて交通の便がよく、患者さんが足を運びやすいからです。
病診、診診連携を徹底する
専門性に特化した診療内容で特化する場合には、「特化していないものは診ない」という選択が重要です。
その場合には診ない患者さんを集めずに済むような集患戦略をとるとともに、紹介先を確保しておくことも重要です。
逆にその紹介先からは、先生の専門領域の患者さんを送り込んでもらえるようにしましょう。
また、どうしても検査や手術が必要になるといった場合のために、近隣の基幹病院など必要な設備を持っている医療機関と連携をとっておくことも大切になります。
コンセプトをしっかりと固めること
いずれにしても専門性を高くするとして、「どこまで診るか」というコンセプトをしっかりと決めることが大切です。
検査としてはどこまで行うのか1つとっても、行う場合に必要な機器をそろえる→機器を置くためのスペースつまりテナントの広さが決まるといったように、開業における設備投資や場所選びなどに影響します。
検査や手術によっては、必要なスタッフを確保するため、人員計画も変わってくるでしょう。
固定費は高い
都市部での開業については固定費の高さは覚悟しておきましょう。
郊外に比べどうしても都心はテナント賃料が高くなる傾向にあり、またスタッフさんの給与についても郊外に比べて高い水準であります。
この固定費は開業時だけでなく、開業後毎月の収支にかかわる要素です。
どのように固定費を賄っていくのか、その収支バランスを意識した事業計画を作成しなければ、いかに売り上げを伸ばしてもコストも大きく先生の利益が少ないという状況に陥ります。
コロナが与えた都市部への影響
新型コロナウイルスが2020年4月から爆発的な流行をし、都市部のクリニックには大きな影響が出ました。
- 不要不急の受診の抑制
- テレワークにより生活様式の変化
により、患者さんの数は大きく減少したというのがもっとも顕著ではあります。
しかし、その後患者さんの数は徐々に戻り、コロナ前と同水準にまで回復できているクリニックも多いのが事実です。
テナント状況
このコロナ後の都市部におけるクリニック開業には、追い風になる点も出てきています。
それはテナント状況に現れています。
コロナによるテレワークはオフィスワーカー=患者さんを減らしただけではありませんでした。民間企業の縮小や撤退も進んだのです。
企業はオフィスを必要としなくなったことから、空きテナントが増える、賃料が以前に比べて下がるといった傾向もみられています。
不動産市況を逆手に取ることで、好立地での都市型開業も実現可能であると考えられます。
まずは開業のコンセプトを固める
都市部を選択する、または郊外型開業を選択する、いずれもまずはコンセプトを固めることが大切です。
決してエリアを絞り物件探しから始めず、まずはコンセプトを確立しましょう。
先生の思い描く医療を追求することや、医師としてのライフプランも考慮しながら、それらを実現できる選択肢として都市、郊外での開業を選択して頂ければと思います。
決して、地域や場所から考え始めてはいけません。
コンセプトがありそれに基づいた戦略の先に、都市部で開業するという選択肢があると考えて頂ければと思います。
無料相談をご利用ください
都市部での開業を検討されているが、実際に上手くいくのか分からない。なんとなく思い描く開業について都心エリアや郊外エリアなど適した場所選定の意見が欲しいなど、疑問のあること、まずは無料相談にてご相談下さい。
先生の思い描く開業や理想の医療、ライフプランも交えてご相談対応させていただいております。