専従者給与と役員報酬の違いとは?

医療法人について少し聞いたことがある、または医療法人化を検討中、切り替えを進めているという先生も多くいらっしゃることと思います。

よく開業医の先生から聞かれるのが、個人事業主として支払っている専従者給与と、医療法人として役員である配偶者へ支払う“役員報酬(理事報酬)”の違いについてです。

個人開業のクリニックでは、配偶者の方に看護師や医療事務として携わっていただき、専従者給与という形で報酬を支払うケースがあります。

いくらでも支払えるわけではなく、あくまで実際の業務内容に応じて相応の金額を支払うことになりますが、配偶者に給与を支払うことができるだけでなく、全額を経費に算入することができます。

役員報酬とは

では、医療法人化した場合に支払う役員報酬とはなにかをご説明いたします。

医療法人になっても、従業員として配偶者に給与を支払うことももちろん可能です。

その場合、専従者給与という扱いではありませんが、他の従業員と同様に医療法人の経費となります。

しかし、一般的には配偶者の方には法人の役員になっていただくことが多いでしょう。

配偶者へ報酬を支払うという意味では、基本的には専従者給与と同じですが、専従者給与が労働の対価としての報酬であったのとは異なり、役員報酬は医療法人から理事職務を委任され、その職務の遂行に対する報酬となります。

そのため、具体的な労働に対する報酬が発生するわけではありません。

役員報酬の決め方

役員報酬は理事会での決議や定款の定めにおいて決定されることとなります。

役員報酬決定の際には税務署への届け出は必要ありません。(理事会で決定したという議事録の作成は必要です。)

また、役員報酬は、事業年度中は定額でなければ経費にならないというルールがあります。

年に1度役員報酬を決定すると、その後の1年間は同じ報酬となります。

これは事業年度中に役員報酬を随時変え、利益調整をさせないために取り決められています。

役員報酬を変更する場合には、毎年の決算日から3ヶ月以内でなければ変更することができません。

ちなみに、役員への賞与支給は認められていません。

※事前確定届給与という臨時支給が可能な報酬はあります。(事前に税務署への届出が必要となります。)

専従者給与と役員報酬比較表

専従者給与と役員報酬の違いを表示しますと以下のようになります。

専従者給与 役員報酬
報酬の性質 労働の対価 委任契約
税務署への届出 必要 不要
賞与支給 できる できない

役員報酬は委任契約

専従者給与では労働の対価であるために、税務調査で実際に配偶者がどのような業務を行っているのか確認されますが、役員報酬では具体的な労働が不要です。

なお、支給金額については、専従者給与については労働に見合った金額、役員報酬では委任業務に応じて合理的な金額が経費となります。

役員は退職金の経費算入が可能

配偶者への報酬という点では似たような専従者給与と役員報酬ですが、専従者と役員の大きな違いとしては、役員であれば退職金の経費算入が認められているということです。

個人事業では、配偶者に退職金を支給したとしても、経費とすることは認められていませんが、医療法人では役員の退職金を経費とすることが可能となります。

退職金は節税の効果が大きいため、この点ははっきりと専従者と役員で違いが出るところでしょう。

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