【医療機関向け】物価高騰に対する支援金
昨今の原油価格、物価高騰により、開業されている先生方におきましても、医院経営に負担がかかっておることと思われます。
物価高騰の影響を受け、それによる光熱費などの高騰分の影響を緩和すべく、各自治体で支援制度が発足しております。
今回の支援は地域の実情に合わせるため、国ではなく各地方自治体ごとの取り組みとなっております。
光熱費や食材費などの負担が増えている一方で、医療機関は診療報酬などによる制限で価格転嫁ができないことから、各自治体では各医療機関の負担軽減を目的として補助金の交付などを進めています。
各都道府県や自治体で対応は様々
すべての自治体、都道府県が、無床診療所に対して支援を行っているわけでもなく、また対象となる医療機関に制限がある場合が多く見受けられます。
以下、一律支給となっております。
東京都
例えば東京都では「東京都医療機関物価高騰緊急対策支援金」を設立しておりますが、無床診療所は対象外となっております。
一方で江戸川区は都とは別に独自の支援金交付事業を設立しており、こちらでは無床診療所も支援金交付を受けることができるようです。
大阪府
大阪府でも同様の支援制度を立ち上げております。
特に申請についての制約は設けておりませんが、申請はオンライン申請を原則としています。
神奈川県
神奈川県では令和4年10月1日以前に開設していることを条件にしつつ、そのほか制約なく支援金を交付する予定です。
茨城県
また茨城県では同様の支援金制度を整備しておりますが、支援対象は新型コロナウイルス感染症への対応として発熱外来の実施を要件に掲げております。
埼玉県
埼玉県では令和4年11月1日時点で開設していることを条件に支援を行っています。
このように都道府県ごと、または都道府県の中でも自治体ごとに支援制度対象が異なっております。
参考
- 東京都福祉保健局 東京都医療機関物価高騰緊急対策支援金
- 江戸川区 医療施設物価高騰対策支援金交付事業
- 大阪府医療機関等物価高騰対策一時支援金について
- 神奈川県 物価高騰による医療機関等の光熱費等に対する支援について
- 茨城県 新型コロナウイルス対応医療機関等物価高騰応援金について
- 栃木県:栃木県医療機関等物価高騰対策支援金の申請について
- 埼玉県医療提供施設光熱費等高騰対策支援金
実費支給の自治体も
上記の一律支給とは異なり、実費で支給を行う自治体もあります。
例えば、東京都多摩市や栃木県小山市では、昨年との差額を上限額まで実費で支給を行っています。
自治体によって、制度の内容が異なりますので、各々確認いただく必要があります。
注意点
市区町村が実施する中小事業者向けの補助金では、医療機関が支給の対象とならない場合もありますのでご注意ください。
申請を行う際には、いくつかの注意点があります。
まずは、実費に基づいて申請を行うため、手間がかかるという点です。
申請までの限られた期間内に、領収書の確認や費用の計算などを行う必要があります。
また、各自治体が行っている一律補助との重複申請はできません。
どちらの補助がご自身の医療機関にとって良いのか見極める必要があります。
参考
医療機関支援が実施されているか確認しましょう

まずは先生の所属する自治体や都道府県でこのような物価高騰に対する医療機関支援が実施されているか調べておきましょう。
先ほど申し上げましたように、無床診療所を支援対象外としていたり、発熱外来の実施や医療機関の開設日において制限を設けていることもあるため、支援概要をよく確認しておくことが重要です。
なにより、制度の発足から申請期限までが短い支援制度が多く見られます。
対象となり支援金を受けることができる先生は、期限に間に合うように申請を進めましょう。