クリニック開業時に知っておきたい融資の基礎知識
クリニック開業にあたり、多くの先生にとって融資は必要となります。
特に、開業資金や運転資金をどのように、またどのくらい確保するかは、開業準備のなかでも重要なポイントの一つです。
しかし、「どのくらいの金額を借りるべきか」、「そもそも自分は融資を受けられるのか」など、不安や疑問を抱えている先生も多いのではないでしょうか。
ここでは、これから開業を目指す先生に向けて、クリニック開業時の融資に関する基礎知識と具体的な流れなどのポイントを説明してまいります。
どのくらいの融資が必要?
クリニック開業に必要な資金には、大きく分けて「設備資金」と「運転資金」があります。
設備資金とは、医療機器の購入や内装工事に必要な資金で、科目にもよりますが、数千万円〜数億円にのぼります。
一方、運転資金は、開業後に診療報酬が安定して入ってくるまでの給与や家賃などの経費をまかなうための資金です。
黒字倒産を防ぐために重要な運転資金の確保
保険医療機関では、診療報酬の7割が2か月後に支払われるため、開業後すぐの収益は見込めません。
その一方で、スタッフの給与や家賃などは、開業時から支払わなければならないため、運転資金が不足すると、最悪の場合、黒字倒産のリスクが高まります。
また、開業後に予期せぬ事態が発生した際にも、潤沢な資金があれば経営が軌道に乗るまで、先生ご自身の精神的な安定にもつながります。
したがって、クリニックの経営を安定させるためにも、十分な運転資金の確保が必要です。
融資を受ける前の準備
では、実際に融資を受けるとなった場合、融資を受ける際の準備として、趣意書と事業計画書、ファミリーツリーを作成する必要があります。
趣意書
趣意書とは、クリニックを開業する目的や経緯を記載する書類です。
なぜこの場所で開業するのか、どのような医療を提供するかなどを明確にすることで、融資時に説得力を持たせることができます。
融資をスムーズに受けるためにも、筋の通った趣意書の作成が大切です。
事業計画書
あわせて重要なのが、事業計画書です。
収益の見通しや経営計画、きちんと返済できることを具体的に示す必要があります。
また、事業計画書は融資審査だけでなく、開業後の経営指針としても欠かせないため、しっかりと練り上げることが重要です。
ファミリーツリー
ファミリーツリーは、家系図を可視化した図であり、一般的には1〜2等親程度の範囲で作成されることが多いです。
資産背景や身元確認、親族の状況などを確認するために必要となります。
開業時の融資の流れ
以下の手順で開業時の融資を進めていきます。
金融機関への相談
まずは、希望する金融機関に相談し、融資条件や融資限度額を確認します。
必要書類の準備
先ほど述べた趣意書や事業計画書のほか、自己資金などに関する書類も準備します。
金融機関は、これらを総合的に見て、クリニック開業資金が適切に見積もられているかを判断します。
融資審査と面談
書類提出後、金融機関による審査と面談が行われます。
この審査に合格することで、融資が承認されることとなります。
融資を受ける際の注意点
融資を受ける際は、必要以上の額を借りないことが大切です。
融資はあくまでも借金ですので、無理のない返済計画を立て、十分な運転資金を確保しつつ、過剰な借り入れによる経営の圧迫は避けましょう。
だからといって、開業後に必要な資金をギリギリ額で借りることも避けた方が良いでしょう。
開業後に資金不足に陥り、追加で借入を行うことは、金融機関に対しての印象を悪くするとともに、開業後の追加融資はそもそも認めてもらえない可能性があります。
事前に十分な運転資金を確保することで、予期せぬ出費や経営の変動にも対応でき、安定した事業運営を維持しやすくなります。
金利タイプの選択
さらに、固定金利か変動金利か、金利タイプの選択も重要です。
一般的には固定金利の方が利率は高くなりますが、返済期間中に金利が変わらず安定した返済が可能となります。
金利上昇局面では選択肢として上がりやすくなるといえるでしょう。
一方で、変動金利は経済状況に応じて金利が上下します。
どちらを選ぶかは、クリニックの経営計画に合わせた検討が必要です。
融資以外の選択肢
融資以外にも国や地方自治体による補助金や給付金を利用することもできます。
これらの制度を活用することで、融資額を抑えられることもありますので、事前に条件を確認してみるのも良いでしょう。
信頼できるパートナー選びが大切
ここまで、開業前に知っておきたい融資の基礎知識についてお伝えしてまいりました。
融資を受ける際は、開業をサポートしてくれる企業の力も大切となりますので、信頼できるパートナー選びが大切です。
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