脳神経外科の開業資金・自己資金・年収・失敗事例
- クリニック開業
目次
脳神経外科の開業資金・自己資金
脳神経外科の開業資金は、画像診断装置を持つか持たないかで大きく異なり、6,000万円から2億5,000万円とかなり幅があります。都市部でCTやMRIを持たない開業なら自己資金ゼロで開業できます。
郊外での開業の場合、悩ましいところです。先行開業されている脳神経外科クリニックはCTもしくはMRI、場合によっては両方持っていることもあります。
地方で開業する場合、診療所での一定の確定診断を求められる地域もあり、そうなると自前でフルセットの画像診断装置を持たざるを得ません。
それでも郊外で開業する場合、まず、PACSサーバーと高精細モニター、電子カルテは持つとして病院と連携をとって開業できる場所を探せば、自己資金ゼロでも開業できます。
郊外でも、都市部の画像診断センターにアクセスが良いなら、そこを活用するという方法も考えられます。
郊外の患者様は、主要ターミナル駅に出るのは日常生活の範囲内なので、近隣の画像診断センターに行って画像を保存してもらい、再度クリニックに来院いただくことについてハードルが低い傾向があります。
また、いくら高性能のMRIを持っていても、その画像診断をする力が低ければ意味が無いことを理解する患者様が郊外でも増えています。
戸建てテナント開業であれば、将来増築をしてもらい自力でMRIを設置することも夢ではありません。
クリニックは、農地や市街化調整区域でも建設可能です。
頭痛外来で有名な脳神経外科クリニックは1日100名以上の患者様が押し掛ける状況が続いています。MRI装備よりは、頭痛外来の方がはるかにコストは安くて済みます。
脳神経外科開業医の収入
実質収入にも大きな差が出ます。安定すれば、3,000万円から8,000万円以上の実質収入となるでしょう。
ただし重装備の大型開業をした場合、損益分岐点越えまで時間がかかり、かなり多額の運転資金を用意する羽目になることがあります。
経験の少ない税理士事務所などでは、脳神経外科の開業に3億円かかると宣伝しているところもあるぐらいです。
そのような開業をすると申告所得は8,000万円あるのに、手元の残りは1,500万円に満たないということも起こりえます。
銀行も、脳神経外科のような大型開業では、返済ができるようになるまで時間がかかることを最近理解するようになりましたので、返済据え置き期間(毎月、利息だけ支払い、一定期間返済を行なわない期間)を1年ぐらい設定してもらえるようになっています。
1年の据え置き期間があれば、どんなに余裕を見ても2億5,000万円程度の借り入れで運営できます。
これを超えるようであれば、事業計画そのものに無理があり、見直しが必要となる可能性が高いと考えてください。
土地を親が買ってくれたり、資金援助をしてくれたり、保証人になってくれるなど別の条件があれば総額で開業資金が膨らんでも合理的に経営ができる場合もあります。そうでなければ、注意をしてください。
病院の受診が抑制される時代なので、いきなり、脳神経外科を受診してみようと思われる患者様が増えてきています。
「片頭痛」「群発頭痛」「緊張性頭痛」「普通の頭痛」「危ない頭痛」など入り混じる中で適切な診断処方・服薬指導を行うことで評判を取っている脳神経外科などは重装備を持たず5,000万円近い実質収入を上げています。
患者様が多く見込めるようであれば、検査ができることは優位性があります。CTでは4列以上(4~16例未満・16~64列未満・64列以上)のマルチスライス撮影、MRIでは1.5テスラ以上(1.5~3テスラ未満・3テスラ以上)の撮影に関しては施設基準が設けられており、診療報酬点数が段階的に設定されています。
また、CTの64列以上のマルチスライス撮影、MRIでは3テスラ以上の撮影に関しては、当該画像診断の従事者に関わる事項があり、診療放射線技師の届出が必要となります。(※令和6年度診療報酬点数より)
診療放射線技師の給与より、画像撮影機器の減価償却費とメンテナンス料が相当高額ですので、そのコストを上回る診療報酬が取れることが前提となります。
最先端の医療機器さえあれば、患者様が来るというわけではないので、様々な営業の方からの甘い言葉に騙されないように注意させることをお勧めします。
物件の選定ポイント
CTやMRIを導入する開業の場合は、耐荷重や搬入経路の確保が選定条件に加わるため、検討の対象外となることが他科より多くなります。
また、MRIではノンクエンチ型のMRIもございますが、それ以外だとクエンチ排気管が必要など物件・設置計画においても注意が必要で、MRI室が道路や線路に面していると、車両の磁性体が磁場を乱すことがあるので、その際は磁場シールドの強化が必要になってきます。
そのため、新規でのテナント開業が他科より難しくなる可能性があるので、医療モールや戸建て開業など幅広い物件選定が重要です。
また、検討が可能なら承継開業も選択肢となります。
後追い開業の抑制
CTやMRIを導入する場合、設備投資が大きいことや戸建て開業などは工事期間が長くなることから、開業準備中の他者への開業抑制も行いたいところです。
不動産契約後、早急にホームページにてCT・MRI設備のある医療機関が開業する旨を周知させる必要があります。
そのためにも、ホームページ制作は早めに行うことをおすすめします。
弊社が耳にした脳神経外科の開業失敗事例
失敗事例の大半は、MRIやCTを装備するのは良いのですが、その価格の交渉不足、メンテナンス費用やランニングコスト(MRIは冷却のための電気代や空調・水道代に相当のコストがかかります)を甘く見積もった開業です。
破綻事例は、都市部で画像センターが活躍することは一定の想像ができたはずなのに、甘い考えでMRIを購入した事例です。
傍目では再生の可能性はゼロではなかったようにも思えるのですが、最終的に破綻したので購入価格とメンテナンス料が相当高かったとしたとしか思えません。
大学のMRI購入の失敗事例です。
MRIは、主に富士フイルムメディカルサービスソリューション・GEヘルスケア・ジャパン・シーメンスヘルスケア・フィリップス・ジャパン・キャノンメディカルシステムズ・Esaote(エサオテ)社の6社ですが、交渉次第で価格が大きく変動します。
実際に、ある大学の脳神経外科が購入したMRIと同じ性能のMRIを、弊社のクライアントは半額以下で購入しています。購入時期はわずか2年しか違わず、通常の市場変動では説明できない価格差でした。
このように、医師開業における医療機器導入では、価格交渉の有無で数千万円規模の差が生まれることがあります。MRIやCTのような大型機器だけでなく、エコーやレントゲンといった比較的小型の医療機器でも同様に「倍近い価格差」が生じるケースがあるため、十分な情報収集と交渉力が欠かせません。
脳神経外科で取得する施設基準
開業のコンセプトによって必要、不要なものがございます。
まずは弊社の無料相談へお越しください
ご不明点などございましたら、お気軽に弊社の無料相談をご利用ください。
脳神経外科で開業を考えている、機器選定や経営戦略に関してお悩みでしたら、ぜひ一度弊社の無料相談をご利用ください。そのほか不明な点や疑問がございましたら、コンサルタントがお答えさせていただきます。
FPサービスで脳神経外科クリニックを開業された先生の声
医療法人社団 ブレイン・コンシェルジュ おちあい脳クリニック
理事長 落合 卓 先生
(2011年さいたま市桜区にて医院開業)
紹介にてFPサービスとお会いしたのが最初でした。
不動産投資に興味がありマンションを購入していましたが、開業資金借入れのアドバイスで所有不動産を整理し、開業資金借入の為準備を始めました。

この記事の監修者 椎原 正
FPサービス株式会社 代表取締役
FPサービス株式会社創業者。中小企業診断士(経済産業大臣認定・国家資格)。
クリニックの開業および経営コンサルティングに長年携わり、事業計画策定や資金調達、
開業後の経営支援まで幅広くサポートしている。著書に『クリニック開業[実践]ガイダンス』
『<決定版>クリニック開業ガイダンス』(いずれも現代書林)があり、累計4,400部を突破。
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