医療DX推進体制整備加算・医療情報取得加算
- クリニック経営
【2026/3/16追記】
医療DX推進体制整備加算・医療情報取得加算は5月末で廃止されることが確定しています。
代わって、マイナ保険証の利用、電子処方箋、電子カルテ共有サービス、サイバーセキュリティ対策等に係る新たな評価が新設される予定です。
▼参考
令和8年度診療報酬改定7.外来医療の機能分化・強化等(31ページ)
▼医療DXのメリットや導入事例などは下記のコラムで解説しています。
クリニックのDX化とは?開業時に検討したいIT化と効率化のポイント
かねてより、オンライン資格確認や電子処方箋のシステム導入など、医療DXが進められてきました。
今後も質の高い医療を提供すること、また、感染症などが起こった際に迅速な対応を行うことができるよう、医療DXが推進されており、2024年の診療報酬改定においても、焦点の一つとなっておりました。
こうした背景を踏まえ、「医療DX推進体制整備加算」の新設、「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」の見直しが発表されました。
医療DX推進体制整備加算とは
オンライン資格確認により取得した診療情報・薬剤情報を実際に活用できる体制を整備していること、また、電子処方箋及び電子カルテ情報共有サービスを導入し、医療DXに対応する体制を確保していることを評価するものとなっております。
令和7年4月から電子処方箋管理サービスへの登録の手間を評価する観点より、点数及び施設基準の見直しが行われました。
医療DX推進体制整備加算4~6が新設され、医療DX推進体制整備加算1~3については電子処方箋の導入が施設基準に加わり、マイナ保険証の利用率も定期的に見直しされています。
点数と施設基準
令和7年4月より、以下の通りに変更されます。
医療DX推進体制整備加算1:12点
- 電子処方箋管理サービスに処方情報を登録できる体制(原則として院外処方を行う場合には電子処方箋又は引換番号が印字された紙の処方箋を発行すること)を有していること
- マイナ保険証利用率が、45%以上であること
医療DX推進体制整備加算2:11点
- 電子処方箋管理サービスに処方情報を登録できる体制(原則として院外処方を行う場合には電子処方箋又は引換番号が印字された紙の処方箋を発行すること)を有していること
- マイナ保険証利用率が、30%以上であること
医療DX推進体制整備加算3:10点
- 電子処方箋管理サービスに処方情報を登録できる体制(原則として院外処方を行う場合には電子処方箋又は引換番号が印字された紙の処方箋を発行すること)を有していること
- マイナ保険証利用率が、15%以上であること
(小児科外来診療料を算定している医療機関であり、かつ前年(令和6年1月1日から同年12月31日まで)の延外来患者数のうち6歳未満の患者の割合が3割以上の医療機関においては、令和7年4月1日から 同年9月30日までの間に限り、「15%」とあるのは「12%」とする。)
医療DX推進体制整備加算4:10点(新設)
- マイナ保険証利用率が、45%以上であること
医療DX推進体制整備加算5:9点(新設)
- マイナ保険証利用率が、30%以上であること
医療DX推進体制整備加算6:8点(新設)
- マイナ保険証利用率が、15%以上であること
(小児科外来診療料を算定している医療機関であり、かつ前年(令和6年1月1日から同年12月31日まで)の延外来患者数のうち6歳未満の患者の割合が3割以上の医療機関においては、令和7年4月1日から 同年9月30日までの間に限り、「15%」とあるのは「12%」とする。)
共通の施設基準
そのほか、以下の施設基準を満たす必要があります。
- オンライン請求を行っていること。
- オンライン資格確認を行う体制を有していること。
- 医師が、電子資格確認を利用して取得した診療情報を、診療を行う診察室、手術室又は処置室等において、閲覧又は活用できる体制を有していること。
- 電子処方箋を発行する体制を有していること。
- 電子カルテ情報共有サービスを活用できる体制を有していること。
- マイナンバーカードの健康保険証利用について、実績を一定程度有していること。
- 医療 DX 推進の体制に関する事項及び質の高い診療を実施するための十分な情報を取得し、及び活用して診療を行うことについて、当該保険医療機関の見やすい場所に掲示していること。
- ⑦の掲示事項について、原則として、ウェブサイトに掲載していること。
経過措置
また、経過措置として、以下も発表されております。
- 令和7年9月30日までの間に限り、電子カルテ情報共有サービスを活用できる体制を有しているものとみなす。 → 令和8年5月31日まで延長
マイナ保険証の利用率について
マイナ保険証の利用率は、適用時期の3月前の「レセプト件数ベースマイナ保険証利用率」(マイナ保険証の利用者数の合計÷レセプト枚数)を用いて算出します。
マイナ保険証の利用率については、以下の通りに設定されます。
令和7年7月24日に、令和7年10月以降の利用率も発表されました。
| 利用率実績 | 令和6年10月~ | 令和7年1月~ | 令和7年7月~ | 令和7年12月~ |
|---|---|---|---|---|
| 適用時期 | 令和7年1~3月 | 令和7年4~9月 | 令和7年10~ 令和8年2月 | 令和8年3~5月 |
| 医療DX推進 体制整備加算1・4 | 30% | 45% | 60% | 70% |
| 医療DX推進 体制整備加算2・5 | 20% | 30% | 40% | 50% |
| 医療DX推進 体制整備加算3・6 | 10% | 15% | 25% | 30% |
【参考】
厚生労働省:「医療DX推進体制整備加算等の要件の見直しについて」
医療情報・システム基盤整備体制充実加算の見直し
オンライン資格確認等のシステム導入が原則義務化されたことを踏まえ、体制整備にかかる評価から、初診時などの診療情報・薬剤情報の取得・活用にかかる評価へと変更されることとなりました。
あわせて、「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」から「医療情報取得加算」へと名称が変更されることとなります。
点数
評価の在り方の変化とともに、下記の通り、点数も変更となります。
初診時(月に1回に限る)
- マイナ保険証を利用しない場合:4点→3点
- マイナ保険証を利用した場合/他の医療機関から診療情報の提供を受けた場合:2点→1点
再診時(3ヶ月に1回に限る)
再診時の加算については、新設されることとなっております。
- マイナ保険証を利用しない場合:2点
- マイナ保険証を利用した場合/他の医療機関から診療情報の提供を受けた場合:1点
2024年12月からの評価見直し
2024年12月から、マイナ保険証の利用有無にかかわらず、施設基準等を満たす場合には、初診時・再診時ともに、点数が1点に変更となりました。
【参考】
厚生労働省:「医療DX推進体制整備加算・医療情報取得加算の見直しについて」
この記事の監修者 椎原 正
FPサービス株式会社 代表取締役
FPサービス株式会社創業者。中小企業診断士(経済産業大臣認定・国家資格)。
クリニックの開業および経営コンサルティングに長年携わり、事業計画策定や資金調達、
開業後の経営支援まで幅広くサポートしている。著書に『クリニック開業[実践]ガイダンス』
『<決定版>クリニック開業ガイダンス』(いずれも現代書林)があり、累計4,400部を突破。
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