医師の働き方改革は収入減?
【更新日】2025/02/18
働き方改革は、厚生労働省が医師の過剰労働の改善を目的としていますが、中身は「タスクシェア」という見方があります。
働き方改革とは
日本の医療は、医療機関に勤務する医師の長時間労働により支えられてきました。
医師の働き方改革とは、こうした現状を改革し、医師が健康に働き続けられるような環境を整備することで、医療の質・安全を確保すると同時に、将来にわたって持続可能な医療提供体制を維持していくための取組です。
2024年4月からは、雇用主に対する罰則付き労働時間短縮の義務化され、バイトも含めた時間外労働が規制されるようになりました。
参考
- 厚生労働省:「医師の働き方改革 〜医療を未来に繋ぐために〜」
医師の余剰について
しかし、厚生労働省医師需給分科会では、将来の医師余剰の時代を見据え、2015年12月から対策に乗り出していました。
統計によると、2029年までに医師の時間外労働を960時間までに抑制しないと医師が余剰となってしまうことが判明しています。
その後も、時間外労働を720時間に抑制しても2032年には、完全に医師余剰となることが確定していました。
- 需要ケース1:年間720時間の時間外・休日労働に相当≒労働時間を週55時間に制限等
- 需要ケース2:年間960時間の時間外・休日労働に相当≒労働時間を週60時間に制限等
- 需要ケース3:年間1860時間の時間外・休日労働に相当≒労働時間を週78.75時間に制限等
参考
- 厚生労働省:「令和2年医師需給推計の結果」
つまり、長時間労働の改善を謳っているものの、実際にはバイトを含めた時間外労働を抑制し、働く時間を分け合わないと(タスクシェア)しないと、雇用が失われる医師が増える可能性があります。
診療報酬の著しい増加は見込めないため、仕事を分け合うことで収入が低下することが当初から予想されていたと考えられます。
開業や承継開業も選択肢の1つ
働き方改革は、医師個人に対する規制では無く、勤務先に対する罰則付きの規制です。
フリーランスの医師や開業医には適用されません。放射線科の先生や麻酔科の先生はフリーランスで働くという選択肢があります。
それ以外、当面、開業や承継開業が一つの選択肢になって来ることでしょう。