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ドクターサポート通信
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災害時の情報発信ツール
2011年3月11日に起こった東日本大震災をきっかけに、災害対策を本格的に実施する医療機関が増えてきました。その中で今回は、災害時の情報発信という観点からお話したいと思います。
災害時の電話回線で発生しやすい輻輳(ふくそう)とは?
東日本大震災のような大規模な災害が発生すると、安否確認などの電話が爆発的に増加します。
電話網も交通渋滞と同じく、通信量が集中すると電話の接続処理が滞る「輻輳(ふくそう)」が発生します。
最悪の場合通信全体がダウンし、119番などの緊急通信も出来なくなってしまう可能性があります。
このような事態を避けるため、通信事業者は必要に応じて通信量の制御を行い、緊急通信や公衆電話などの優先電話からの利用を除く一般電話・携帯電話の通信に対し発信規制を行います。
メールやホームページなどのデータ通信も輻輳するのか
携帯電話で使われるメールやWeb閲覧などのデータ通信は、パケット通信と呼ばれます。
総務省のデータによると、携帯電話各社とも各契約者の使用する音声通話に対しては最大で70%〜90%の発信規制をかけていますが、パケット通信では音声通話と比較して輻輳が発生しづらいため、0%〜30%と発信規制が低くなっており、結果として災害時もつながりやすい傾向にあります。
東日本大新災の際に効果を発揮したフェイスブックやツイッター
震災当日、電話がつながらない一方で、フェイスブックやツイッター上では通常の約1.8倍の投稿があり、その7割が震災関連のものだったそうです。
これらSNSは、情報をリアルタイムに更新できるという点や、「いいね!」「シェア」(フェイスブック)や「フォロー」「リツイート」(ツイッター)といった独自の機能により情報の共有がされやすい特徴があります。
また、電話回線が回復した後も、多くのマスメディアが震災の概要を報道する中で、フェイスブックやツイッターでは、現地の詳細情報や安否確認、避難所マップ、原発事故や計画停電といった、当事者が本当に知りたい情報の発信・共有がなされ、その特性が十分に生かされました。
フェイスブック、ツイッターを導入する医療機関も
最近では医療機関でも公式フェイスブックページや公式ツイッターアカウントを持ち、積極的な情報発信を行っているところも出てきました。リアルタイムに情報発信ができるという特性から、平時でも現在の患者様の混雑状況をお知らせするなど、通常のホームページでは発信が難しい情報にも柔軟に対応できます。
患者様へのサービス向上という点で、導入をご検討されてみてはいかがでしょうか。