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ドクターサポート通信

Drサポート通信では、クリニック経営のヒントとなる情報をお届けしています。

リピーターを生み出す広報の仕方

年々クリニック数が増加する中、閉院するクリニックも目立つようになってきました。
患者数は減少傾向にあるといわれている中で、患者様が集まっているクリニックには更に人が集まり、「普通」のクリニックには患者様が来ないという現象が起きています。

今回は、他クリニックとの差別化を図るための広報についてお話します。

クリニック経営において、「口コミで評判が拡がり患者様が増えてくれることを期待している」という声もあれば、「口コミほどあてにならないものはない」という声もあります。
しかし、クリニックへ来院するきっかけとして、他人からの推薦は大きな後押しになりますので、人(特に地域のキーパーソン)を通した口コミを活用し、評判を拡げてリピーターを生み出していく必要があります。
しかも、今の時代は「医師の腕がよい」だけでは患者様がリピーターになるとは限らなくなってきています。患者様が重視しているのは、自分の話をよく聞き、症状や検査・診断結果などを納得できるように説明してくれるかどうかです。
クリニックもサービス業であることを意識し、患者様に対応していくことが求められています。

ではリピーターを生み出す広報活動は、どう取り組めばよいのでしょうか。
ある医療サービスを受けた人が自分自身の体験を通してその医療サービスを知り、十分な説明を受けて納得し、満足し、気に入ること、そして再度その医療サービスを受けたいと感じることがリピーターとなる最低限必要不可欠な条件です。

リピーターを生み出すということは、「認知・満足度・欲求」を患者様に与えることと、選ばれるだけの「比較優位性」を持つということです。
つまり、患者様との「信頼関係を築くこと」を日常的に行っていくことです。
そのために「何をすべきか」を広報の考え方の中心に据えておくべきでしょう。

「ブランドは広告では作れない(ローラ・ライズ他共著)」を引用すれば、ブランドマネジメントを行う上では広告は力を失い、パブリックリレーション(PR:広報)が主軸になるとしています。
また、ブランドに対する信頼を獲得するためには、報道メディアによる記事や口コミなどの広報活動が有効であるといわれています。

ブランドマネジメントは、クリニックのブランドであれ医療サービスのブランドであれ、ブランドがもたらすイメージを好ましいものにし、それを維持管理することです。
最大の問題点は、クリニックの医師が創りたいイメージと患者様が実際に抱くイメージがなかなか一致しない点と、同じ情報を発信しても、患者様によって抱くイメージが異なるという点です。 そのため、いかにしてそのギャップを克服するかということが課題となります。

広報を行う上で基本となるのは情報を受け取る患者様を徹底的に分析することです。
患者様はどの様な状況で、どの様な情報源から、どんなメッセージを受け取ると、どの様なイメージを抱くのかを明らかして管理することです。
具体的な方法としては、まずマーケティングや臨床心理学の手法の中から、「データマイニング」や「ラダー法」等を駆使して、医療サービス提供の望ましいブランド・イメージを創造し・管理することで、そのイメージにあった医療サービス提供の小冊子(広報誌などを含む)を作成することです。

そうして作成された小冊子は、患者様との「信頼を獲得」するためのツールになります。
効果的なツールを作るためには、クリニックの医療サービスが持つ「コアバリュー(本質的なサービスの価値)」についてクリニック内で共通認識を持つことと、それをクリニック外のステークホルダー(地域住民、患者様・家族、取引先など)等と共有することが必要となります。

クリニック関係者が陥りがちな罠は、専門知識が増加し高度化すればするほど患者様の本当の声が聞こえなくなり、患者様の悩みが見えなくなってしまうことです。
広報担当者は、クリニックの都合の良い方向に患者様の意識や行動を変えるのではなく、患者様が求める方向にクリニックが変わることが健全なクリニック体質を創ることにつながりことを強く意識しましょう。

「患者様に何を伝えるか、どう伝えるか」よりも「クリニックのスタッフ自らが何を行うか」を患者様に分かり易く伝えることが重要なポイントです。

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