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ドクターサポート通信

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雇用促進税制について

景気が低迷し失業者が増加している昨今、事業所の新規雇用確保を税制面からバックアップする「雇用促進税制」に注目が集まっています。この制度は、2011年6月の国会で成立したもので、医療法人化したクリニックでは、平成23年4月1日〜平成26年3月31日までの各事業年度、個人のクリニックでは平成24年1月1日〜平成26年12月31日までの各事業年度に適用されます。
今回はクリニックがこの制度を有効活用するための適用要件をご紹介します。

雇用促進税制の概要

雇用促進税制は、適用を受ける年度と前年度の期末職員数を比較し、2人以上かつ10%以上の増加があった場合、1名の増加につき20万円を法人税又は所得税から税額控除できるという制度です。適用年度の決算において、計算した税金の額から一定額を控除する税額控除のため、より直接的な節税効果が期待できます。
制度の適用を受けるためには、事前(期首)にハローワークへ雇用促進計画を提出し、適用年度終了後に実績報告をする必要があります。様式は、簡便にできているので容易に手続きできると思います。ハローワークへの雇用促進計画提出期限は、事業年度開始から2ヶ月以内ですので、提出が遅れないようにしましょう。雇用促進計画の実施報告は事業年度終了から2ヶ月以内に行い、ハローワーク受付印のある書類を、法人税や所得税の確定申告書に添付して、税務署に提出(申告)することとなります。

雇用促進税制の注意点

この制度の中で指す「新たな雇用者」とは、新規に雇用保険に加入したスタッフを指します。フルタイムの正社員だけでなく、週20時間以上勤務するパートも含まれます。但し、事業主や法人役員の親族又は事業主や法人役員の親族と同一生計である者、上記計画期間中に満65歳に達した者などは対象外です。
また、雇用促進税制の適用を受けるためには、年度毎に適用要件を満たしていることが必要です。要件を満たしていない事業年度においては、雇用促進税制の適用を受けることができないので、注意が必要です。また、雇用促進計画も適用年度毎に提出する必要があります。

<クリニックにおける雇用促進税制適用要件>
  • 1)青色申告している医療法人、又は個人開設のクリニックであること
  • 2)雇用保険の適用事業主であること
  • 3)前期及び当期に、クリニックの都合による離職者がいないこと
  • 4)基準雇用者数(当期末の雇用者数−前期末の雇用者数)が2人以上であること
  • 5)基準雇用者割合(基準雇用者数÷前期末の雇用者数)が10%以上であること
  • 6)当期の給与等支給額が比較給与等支給額以上であること

以上です。
6)で出てきた比較給与等支給額とは、当期の所得の金額の計算上損金の額に算入される給与等(雇用者に対して支給するものに限られる)の支給額を指します。比較給与等支給額の計算方法は下記の通りです。
比較給与等支給額=前期の給与等の支給額+(前期の給与等の支給額×基礎雇用者割合×30%)

この制度による税額控除限度額は、下記の算式により計算します。
税額控除限度額=基準雇用者数×20万円(当期の控除前の税額の20%相当額を限度とする)
事業年度の中途において雇用者自身の都合による離職があった場合の給与等支給額は、雇用者に対して支給する給与の額で適用年度において損金算入される金額を指しますので、自己都合で離職した雇用者に対して支給した給与額も含むことになります。

こうした制度も上手に活用することで、クリニックの経営をスムーズに進めることにつながっていきます。

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